• やなばら

業務外でトラブルが発生した社員の対応

労働者と会社の契約上は、あくまで「所定労働時間内において会社の命令で働く」と決まっているだけですから、とたとえば社員が勤務時間外に飲酒運転し警察に捕まってしまったなどの場合、会社は何らかのペナルティーを与えることができるでしょうか。


1 原則としてはペナルティーを与えることができない

原則的には、従業員の業務外の非行に対して、会社が懲戒処分することはできません。

なぜなら、懲戒は、労働者と使用者(会社)との労働契約に基づき、当該労働契約に違反したときにのみ行うことができるものだからです。




労働契約とは双方に次の義務を負う約束です。


会社:給料を払う、労働基準法上の権利を保証する


労働者:会社の命令をきいて労務を提供する(働く)



例えば、「ギャンブルにハマる」「泥酔して街でトラブルを起こす」などの行為は社会通念(道徳)上好ましくない行為かもしれませんが、それらは前述の義務とは別の話なので、それらに対して、ただちに会社がペナルティーを課すことはできません。




2 会社に迷惑が及ぶ場合は懲戒できることも


しかし、業務外での行為でも、社会的に影響を与えるような行為であって、会社の信用を失墜させたり、名誉を著しく汚すような行為を行った場合にはその程度に応じて懲戒をすることができます。




近年は飲酒運転に対して大変厳しい世間の評価がありますから、特に車を運転する業務がある場合は厳しい対処も可能でしょう。また、就業規則などで 「社員が刑法上の犯罪を犯したときなどには、それが業務外の行為であっても、懲戒する」と規定しておくことで、場合によっては懲戒解雇などの厳しい処分に付することもできるでしょう。



71回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

罰金制度の注意点  

労働基準法第91条では次のように定められています。 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。 減給の制裁、つまり制裁を与える目的で減給すること自体は違法ではありませんが、この条文にあるように上限が定められています。そのほか、罰金制度にはいくつか注意点があります。

2021年11月「過重労働解消キャンペーン」について

2019年4月1日から、働き方改革に関連した改正労働基準法において、時間外労働の上限規制が罰則付きで規定され、また、2020年4月1日から時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されました。 上記の法改正等の一層の定着を図るために、2021年11月厚生労働省で「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」が実施されます。長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組を推進するための、

「男性版産休」の新設について  

男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法の改正案が検討されています。 中でも子どもの誕生から8週間に夫が柔軟に育休を取れる制度「出生時育児休業」(男性版産休)を新設することに注目が集まっています。 ▷なぜ男性版産休か 産後8週間以内が特に母(妻)の育児の負担が大きく、産後鬱(うつ)などの課題もあることから、それらの解決のため「夫婦がそろって」休みやすい環境を整備することが主な狙いでしょ