top of page

みなし労働時間とは

執筆者の写真: やなばらやなばら

労働基準法では使用者が労働者を働かせていい時間は1日8時間、週40時間までとされています。しかし、営業のように1日の大半を社外で労働するなど労働時間の算定が困難な業務や、業務の遂行方法を労働者本人の裁量に委ねる必要がある業務などには、事前に決められた時間を働いたと「みなす」、みなし労働時間制を認めています。

みなし労働時間制には(1)事業場外みなし労働時間制と(2)裁量労働制の2つがあり、(裁量労働制には更に2種類に分かれます。

(1)事業場外みなし労働時間制

事業場外みなし労働時間制は、営業職で外回りなどで労働時間を正確に把握することが難し場合に、会社が対象者についてを適用し、実労働時間に拘らずあらかじめ決められた時間分だけ働いたとみなすことが許されています。

もちろん外回りでも細かい指示の下で働いていたり、時間配分が決められているなど労働時間の算定が可能であることもあり、その場合は事業場外労働みなし制の適用にはなりません。現代ではスマートフォンなどで逐一指示ができる状態であることを考えると、外回りの営業だからといってみなし労働時間制が認められるとは限りません。

(2)裁量労働制

裁量労働制には「専門業務型」と「企画業務型」があります。

「専門業務型」は特定の業務を対象として採用できる制度で、研究開発など会社や上司から具体的な指示が無い中で行う業務が当てはまります。その業務は「弁護士」「テレビのプロデューサー」など職種で具体的に決められています。

対象となっている業務は、労働者自身で時間配分や仕事の進め方を決めて働いた方が合理的だとされ、1日8時間週40時間という労働時間にとらわれず、あらかじめ労使協定によって定めた時間分労働したとみなすことができます。

「企画業務型」は企業において企画、立案など行う業務に就いている労働者を対象とし、専門型と同様労働者自身が労働時間の配分を決めていきますが、専門型よりも制度を実施するための手続きが複雑です。労使委員会を作り、「企画業務型」を実施するための決議をする必要があり、決議後に労働基準監督署に届出を提出し、労働者本人からの同意を得ることで制度を実施することが可能になります。

閲覧数:8回0件のコメント

最新記事

すべて表示

1週間単位の変形労働時間制について

1週間単位の変形労働時間制は、旅館や小料理屋などの小売業等接客を伴う30人未満の限定された事業場についてのみ認められている特殊な変形労働時間制です。具体的には、「日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日...

中学生、高校生などの年少者を働かせる場合の注意点  

労働基準法上の年少者は、満18歳未満の者を言います。おおむね高校卒業までの者を雇用する場合は通常とは異なる取扱いが必要なことがあります。 最低年齢 年少者の内、児童(満15歳に達した日以後、最初の3月31日が終了するまでの者、一般的に中学生)については、原則として労働者とし...

慶弔休暇は必ず与えなければならないか  

結婚やお葬式など従業員の冠婚葬祭に際して与えられる休暇を慶弔休暇と言いますが、その慶弔休暇は法律上必ずしも与える必要はありません。 休暇について労働基準法では年次有給休暇について定められているのみで、他の休暇については事業所ごとにルールを定めれば足ります。(育児介護休業法な...

Commentaires


Ⓒyanabaraoffice all rights reserved

  • LinkedIn Social Icon
  • Twitter Social Icon
  • Google+ Social Icon
bottom of page