• やなばら

経歴詐称の場合、内定を取り消しできるか

1採用内定を自由に取り消せるか

採用内定者と企業は、卒業できないことその他一定の事由による解約権を留保した労働契約(解約権留保付労働契約)を締結していると考えられています。つまり、実際に働いていないが労働契約は結んでいるわけですから、内定取り消しは「解雇」と同様に考えるべきであり、採用内定者との合意がないにもかかわらず自由にその内定を取り消すことはできないと考えるべきでしょう。


2 内定取り消しの根拠

内定取り消しの根拠として「内定者側に原因がある」と言えるのはどのような場合でしょうか。基本的には書面による根拠があると良いでしょう。「採用内定通知」、「誓約書」等に内定取消事由の記載(こういうケースでは内定を取り消す、という旨の自由の列記)があるとき

ただし、採用内定通知、誓約書等に記載されていない理由による場合でも、事情によっては内定を取り消すことができる場合があります。

経歴詐称があった時は、その虚偽の経歴が採用の合否に重大な影響を与えるとみられる場合は内定取り消しができる可能性が高いでしょう。一方で瑣末な経歴の偽りの場合、「内定を取り消すほどではない」という相手側の主張が通ることもあるでしょう。

内定後、勤務開始までの間については、勤務の意思確認も兼ねてしっかりと内定通知書や誓約書などの書面の取り交わしをしておくことがおすすめです。

2回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

罰金制度の注意点  

労働基準法第91条では次のように定められています。 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。 減給の制裁、つまり制裁を与える目的で減給すること自体は違法ではありませんが、この条文にあるように上限が定められています。そのほか、罰金制度にはいくつか注意点があります。

2021年11月「過重労働解消キャンペーン」について

2019年4月1日から、働き方改革に関連した改正労働基準法において、時間外労働の上限規制が罰則付きで規定され、また、2020年4月1日から時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されました。 上記の法改正等の一層の定着を図るために、2021年11月厚生労働省で「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」が実施されます。長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組を推進するための、

「男性版産休」の新設について  

男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法の改正案が検討されています。 中でも子どもの誕生から8週間に夫が柔軟に育休を取れる制度「出生時育児休業」(男性版産休)を新設することに注目が集まっています。 ▷なぜ男性版産休か 産後8週間以内が特に母(妻)の育児の負担が大きく、産後鬱(うつ)などの課題もあることから、それらの解決のため「夫婦がそろって」休みやすい環境を整備することが主な狙いでしょ