• やなばら

有給休暇の理由を聞いてはいけないか

「有給休暇を取るのに理由はいらない」、「上司から有給を取得する理由を尋ねられたとしても、答える義務はない。」という考え方がありますが、従業員から有給取得の申し出があった場合はどんな時も理由を聞いてはいけないのでしょうか。


・時季指定権

労働者が有給を請求するのはいわゆる「時季指定権」という権利として労基法で補償されています。この権利が常に優先するなら、理由によらず労働者は有給を取れることになりますが、実際には会社にも「その時期は忙しいから別の日に変えてくれ」という権利(時季変更権)があります。また、一方で民法1条3項には「権利の濫用は、これを許さない。」とあります。

つまり、会社側の時季変更権の優先度が高いかどうか、並びに労働者の有給休暇の時季指定権が権利の濫用かどうかを判断する場面では、理由を聞くことが認められることもあるでしょう。

(ちなみに、労働基準法には、労働者から会社に「理由を聞かれても答える義務がない」のも確かですが、「理由を聞いてはいけない」という規定があるわけでもありません。ケースバイケースということです)

有休の理由を聞く意味

有給休暇の理由を尋ねる一つの基準としては、申請期限を過ぎて直前で申請してくる場合でしょうか。

多くの会社では就業規則で、有休を取る際は1週間とか10日前までに申請するよう定めているかと思いますが、そうした期限を無視して有給申請をしてくる場合は、労使の信義則により理由を尋ねても良いのではないでしょうか。

22回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

罰金制度の注意点  

労働基準法第91条では次のように定められています。 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。 減給の制裁、つまり制裁を与える目的で減給すること自体は違法ではありませんが、この条文にあるように上限が定められています。そのほか、罰金制度にはいくつか注意点があります。

2021年11月「過重労働解消キャンペーン」について

2019年4月1日から、働き方改革に関連した改正労働基準法において、時間外労働の上限規制が罰則付きで規定され、また、2020年4月1日から時間外労働の上限規制が中小企業にも適用されました。 上記の法改正等の一層の定着を図るために、2021年11月厚生労働省で「過労死等防止啓発月間」の一環として「過重労働解消キャンペーン」が実施されます。長時間労働の削減等の過重労働解消に向けた取組を推進するための、

「男性版産休」の新設について  

男性の育児休業取得促進策を盛り込んだ育児・介護休業法の改正案が検討されています。 中でも子どもの誕生から8週間に夫が柔軟に育休を取れる制度「出生時育児休業」(男性版産休)を新設することに注目が集まっています。 ▷なぜ男性版産休か 産後8週間以内が特に母(妻)の育児の負担が大きく、産後鬱(うつ)などの課題もあることから、それらの解決のため「夫婦がそろって」休みやすい環境を整備することが主な狙いでしょ