高度プロフェッショナル制度にかかる労使委員会の決議事項の中には「対象労働者の健康管理時間を把握すること及びその把握⽅法」が含まれています。この「健康管理時間」というのが中々の曲者で、「高度プロフェッショナルだから労働時間把握をしなくても良い」とはならない根拠となっています。
「健康管理時間」とは
対象労働者が事業場内にいた時間と事業場外において労働した時間との合計の時間と定義されています。なお、健康管理時間から労働時間以外の時間を除くことを決議する場合は、その時間の内容や性質を具体的に明らかにして、客観的な⽅法で把握する必要があります。また、除くこととする時間に⼿待ち時間を含めることや⼀定時間を⼀律に除くことは認められません。
健康管理時間の把握義務
対象労働者の健康管理時間を把握する措置を使用者が実施すること及び当該事業場における健康管理時間(決議により健康管理時間から除くこととした時間を含む。)の把握方法を決議で明らかにしなければなりません。
健康管理時間を把握する⽅法として、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電⼦計算機の使⽤時間の記録等の客観的な⽅法による必要があります。ただし、事業場外において労働した場合であって、やむを得ない理由があるときは、自己申告によることができるとされています。
⽇々の健康管理時間の始期及び終期並びに健康管理時間の時間数を記録するほか、医師の⾯接指導を適切に実施するため、1か⽉当たりの時間数の合計を把握する必要があります。
要するに、高度プロフェッショナル対象者であっても実質的には労働時間管理が必須であることがわかります。
健康管理時間の客観的な記録方法の例
① タイムレコーダーによるタイムカードへの打刻記録
② パーソナルコンピュータ内の勤怠管理システムへのログイン・ログアウト記録
③ ICカードによる出退勤時刻⼜は事業場への⼊退場時刻の記録
を基礎とした出退勤時刻⼜は⼊退室時刻の記録が該当します。
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