top of page
  • 執筆者の写真やなばら

うつ病による通院歴を隠して入社する行為は履歴詐称か

基本的なポイント

就業規則などの定めにもよりますが、重大な経歴詐称は解雇理由となり得ます。例えば業務に関連する資格を実は持っていない場合などは、想定していた仕事を任せることができないため解雇もやむを得ないでしょう。ただし逆に言うと、経歴詐称したとしても実際の業務に支障ない場合は、それによって会社に不利益が生じていないため解雇は難しくなります。

精神疾患歴は「重要な経歴」となるか

精神疾患歴を偽ったことが問題となった過去の裁判では、精神疾患歴を隠して入社し、後日、そのことが判明した場合でも精神疾患が軽度であり、労働能力の判定に及ぼす影響が少ないようならば仕事に影響が無い、と判断され解雇無効とされた例があります。

精神疾患の通院歴を隠したことが「詐称」となるか

また、そもそも精神疾患の通院歴について「尋ねられなかった場合は答えない」こともあるでしょう。これが意図的に通院歴を隠したと言えるかどうかもポイントでしょう。

診断書を求めたり、ストレートに病歴を尋ねたりすることが憚られる場合は、任意の「病歴申立書」のようなアンケートを採用選考時の資料としてもらうと良いでしょう。その申立書に「精神疾患の経験があるかないか」を尋ねることで、確認をしたことを客観的に記録できます。

なお、病歴申立書をもらうことは、健康状態が採用の合否を決める重要な要素であるため問題はありません(常識はずれのプライベートな質問だと問題になるかもしれません)。

もっとも、選考の段階では雇用していないので、申立書の提出は任意としたほうがよいかもしれません。申立書提出を拒否された場合は口頭で「仕事内容は〇〇で、職場環境は◯◯ですが、あなたの健康上配慮すべきことや気になることはありますか?」と尋ねたりしても良いでしょう。

平和的解決が望ましい

上記のことを踏まえた上で、実際に入社後に精神疾患の罹患歴が判明した場合、それが仕事に影響がどの程度あるか、配置転換などの配慮をすることができるか、などを総合的に考えた上で対処方法を平和的話し合いのもとで決めていくことが望ましいでしょう。

閲覧数:31回0件のコメント

最新記事

すべて表示

1週間単位の変形労働時間制について

1週間単位の変形労働時間制は、旅館や小料理屋などの小売業等接客を伴う30人未満の限定された事業場についてのみ認められている特殊な変形労働時間制です。具体的には、「日ごとの業務に著しい繁閑の差が生ずることが多く、かつ、これを予測した上で就業規則その他これに準ずるものにより各日の労働時間を特定することが困難であると認められる厚生労働省令で定める事業であって、常時使用する労働者の数が厚生労働省令で定める

中学生、高校生などの年少者を働かせる場合の注意点  

労働基準法上の年少者は、満18歳未満の者を言います。おおむね高校卒業までの者を雇用する場合は通常とは異なる取扱いが必要なことがあります。 最低年齢 年少者の内、児童(満15歳に達した日以後、最初の3月31日が終了するまでの者、一般的に中学生)については、原則として労働者として使用することが禁止されています。 ただし例外的に以下の場合に限り、必ず監督署長の使用許可を得た上で労働させることが可能とされ

慶弔休暇は必ず与えなければならないか  

結婚やお葬式など従業員の冠婚葬祭に際して与えられる休暇を慶弔休暇と言いますが、その慶弔休暇は法律上必ずしも与える必要はありません。 休暇について労働基準法では年次有給休暇について定められているのみで、他の休暇については事業所ごとにルールを定めれば足ります。(育児介護休業法などによる休暇を除く) この意味で「我が社には慶弔休暇制度はないから、冠婚葬祭で休む際は自身が持つ年次有給休暇を使用してください

bottom of page