「雇止め」とは、有期雇用契約の従業員を契約期間終了のタイミングで契約を更新せずに雇用を打ち切ることを言います。解雇と異なり「ただ期間が満了し更新しなかったただけ」なので一見問題がないように思われますが、雇い止め法理によって雇い止めが認められないことがあります。
雇い止め法理とは
雇止め法理とは、「法律で定める場合は、契約社員の雇止めに合理的な理由が必要とされ、合理的な理由のない雇止めは無効とされる」ルールをいいます。
⑴契約が過去に何回も反復更新されて期限の定めのない労働契約と同一視できるような実態である場合(実質無期型と言われます。期間の定めのある労働契約であっても、業務の客観的内容や当事者の主観的態様、更新手続などの事情を考慮して、当該有期契約が期間の定めのない契約と実質的に異ならない場合)
⑵労働者が契約の更新を期待するのがもっともであり合理的だと考えられる事情がある場合(期待保護型と言われるもので、長期にわたる更新がなく、⑴に該当しない場合でも、業務内容の恒常性や当事者間の言動、認識などの事情から、有期労働者が雇用の継続を期待することについて合理性があると認められる場合)
には、更新をしないことは許されず、契約が更新されたものと見なされてそれまでと同一の労働条件で契約が続くことになります。
注意点
契約社員を雇い止めしたい場合は、上記の⑴⑵に該当することのないようにしなければなりません。例えば契約更新をおざなりにせず都度判断基準をもとに客観的に判断する、「正社員にする予定だから」などの言動を言わない、などです。
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