毎年、夏(7月)及び冬(12月)の時期に賞与を支給する企業が多く見受けられます。法律上、支給義務があるものではありませんが、支給した際は、以下点に注意が必要です。
1)そもそも賞与とは
賞与とは、賞与、期末手当、決算手当その他いかなる名称かを問わず、労働者が労働の対償として受けるもので、3ヵ月を超える期間ごとに受けるもの(年3回以内で支給されるもの)を言います。
2)賞与からの保険料徴収
賞与支給者が社会保険や雇用保険に加入している場合は、賞与からも各保険料も天引きした上で支払う必要があります。雇用保険料の計算方法はこちらでは割愛しますが、社会保険料は以下のように計算をします。
標準賞与額(賞与額の1000円未満端数を切り捨てた額)×保険料率
例えば、東京の企業で賞与を200,500円支給する場合の計算は以下のようになります。
健康保険料:20万円×49.5/1000=9,900円
厚生年金保険料:20万円×91.5/1000=18,300円
介護保険料:20万円×8.65/1000=1,730円
(※40歳~64歳のみ対象)
3)計算上の注意点
健康保険、厚生年金ともに標準賞与額の上限が設けられております。健康保険は年度の累計額が573万円、厚生年金は1ヵ月あたり150万円が上限です。
つまり、年度の賞与累計額が1000万円の場合でも、573万円分しか健康保険料を払う必要がありません。厚生年金の場合は、上限を1ヵ月単位で見ます。
4)事業主がすべき届出について
賞与を支給した際は、管轄の年金事務所に賞与額を記載のうえ届出する必要があります。
事前に賞与支給予定月を年金事務所に申請している場合は、支給月の1ヵ月前頃に提出用の書類が送られてきますが、申請をしてない場合は、こちらからアクションを起こさなければなりません。
賞与は、届出をしない限り年金事務所は知りえない情報です。加入者の将来の年金額にも影響しますので、届出を忘れないように注意しましょう。
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