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執筆者の写真やなばら

罰金制度の注意点  

労働基準法第91条では次のように定められています。

就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。

減給の制裁、つまり制裁を与える目的で減給すること自体は違法ではありませんが、この条文にあるように上限が定められています。そのほか、罰金制度にはいくつか注意点があります。

1、罰金の目的

罰金の目的は、当然嫌がらせや報復、損害賠償などではなく「企業の秩序維持のため」でなければなりません。自社の罰金制度が、始末書や出勤停止、降格のような他の懲戒処分と同様、従業員を「制裁」し、企業秩序の回復を図ることを目的とするものであるかを確認しましょう。

2、罰金の上限

上限は「一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」とあるように上限が定められています。

例えば平均賃金が10,000円の人に対して、1回の制裁事案に6,000円を差し引くような仕組みは違法になるほか、罰金の1ヶ月の総額が月給の10%を超えることも許されません。

ただし、会社が従業員に対し実損額に基づいて民法上の損害賠償請求を行うことは差し支えありませんので、過失により壊れた備品の修理費用の一部を罰金制度とは別に請求することはできます。

3、「罰金額」の相当性

また、罰金の対象となる「行為」と「罰金額」のバランスが取れていることも必要です。制裁対象となる行為がそもそも罰金にふさわしいものか、その金額は妥当かにも注意が必要です

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