• やなばら

私生活の素行の悪さについて会社は罰することができるか

私生活での行動について、会社は懲戒処分を行うことができるのでしょうか。

たとえば社員が何らかの事由で逮捕されたとき、会社は直ちに解雇などの処分をすることができるでしょうか。

労基法の定め

労働契約法15条は「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は無効とする」

と定めています。

そのため、たとえ就業規則などで「逮捕されたり刑罰法規等に該当する場合に、その従業員を懲戒できる」旨の規定を設けていたとしても、私生活上の非行について懲戒することに合理性・社会的相当性がなければ、その懲戒は無効となります。

判例

裁判では、「私生活だろうとも、会社の信用を落とす行為は懲戒の対象となる」という判断をした場合もある一方で、「会社と関係のない部分について、会社に咎められるいわれはない」という判断がなされたこともあります。

基本的な考え方としては、「私生活上で行われた行為については、原則として企業秩序の問題とは無関係なものとして懲戒処分の対象とならず、ただし例外的に、企業秩序に影響を及ぼす場合に限って、懲戒の対象となりうる」という風になるでしょう。

たとえば逮捕された場合であっても、法律上有罪判決が確定するまで「無罪の推定」が働区ため、従業員が逮捕されたからといって直ちに懲戒処分を行うという判断をするのではなく、事件の内容や経緯を考慮してそれが企業秩序に悪影響を与えた程度を元に懲戒処分を慎重に判断する必要があります。

閲覧数:14回0件のコメント

最新記事

すべて表示

事業主は、3歳未満の子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる育児のための短時間勤務制度を設けなければなりません。 短時間勤務制度の対象となる従業員 短時間勤務制度の対象となる従業員は、以下のいずれにも該当する男女労働者です。(女性だけでなく男性も短時間勤務制度の対象となる点に注意が必要です。 ① 3歳未満の子を養育する従業員であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと。

過去に厚生労働省が副業・兼業の促進に関するガイドラインを出した経緯もあり、複数の事業所で雇用されている人が増えてきたと思います。また、令和4年10月からは短時間労働者への社会保険適用が拡大されますので、短時間労働者=保険未加入者ではなくなっていきます。各保険の取り扱いについて見ていきます。 例:A社で週30時間勤務、B社で週10時間勤務のケース(両社とも雇用契約) 1、労災保険について 労働者が、

令和4年10月から士業の個人事業所(常時5人以上の従業員を雇用)は社会保険の加入が必要となることは以前にもご紹介した通りですが、10月が近づいてきたこともあり、気になる点を以下のQ&A方式でご紹介いたします。 【Q1】社会保険への加入に際し必要な届出は何ですか? 【A】日本年金機構(事業所の所在地を管轄する事務センター等)に「新規適用届」と「被保険者資格取得届」の提出が必要です。その他、「被扶養者