• やなばら

社会保険料の算定基準となる標準報酬月額について

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料や保険給付額の計算にあたっては、事務処理を簡単にするため、あらかじめ一定の幅(等級)で区切った標準報酬月額が設定されており、この標準報酬月額に各保険料率を乗じて保険料が決められております。

標準報酬月額は社員ごとの給与に基づいて決定され、それを一定期間使用することで保険料徴収事務が簡略化されております。標準報酬月額の決定方法は主に以下4つあります。

【1】資格取得時決定

被保険者が資格を取得した際、つまり入社時に今後受け取る予定の給与に基づき標準報酬月額が決まります。ここで決まった標準報酬月額は、資格取得日が1月1日~5月31日である場合はその年の8月まで、6月1日~12月31日のときは翌年8月まで適用されます。

【2】定時決定

毎年7月1日に在籍している被保険者について、4月、5月、6月に支給した給与総額を3で除した金額に基づき標準報酬月額が決定されます。これにより決定された標準報酬月額は、随時改定が行われない限り、その年の9月から翌年8月まで適用されます。

毎年5月下旬頃に、年金事務所から「算定基礎届」書類が送られてきて、そちらに記載のうえ提出することで決まります。

【3】随時改定

昇降給や賃金体系の変動などにより、従前の標準報酬月額と2等級以上の差が生じた場合に、4か月目から標準報酬月額を改定します。改定した標準報酬月額は、改定月が1月~6月である場合はその年の8月まで、7月~12月のときは翌年8月まで適用されます。

【4】育児休業終了時の改定

育児休業終了時に、3歳に満たない子を養育する従業員の報酬が短時間勤務等により減給となる場合、随時改定の要件に該当しなくても標準報酬月額が改定されます。会社を通じて申し出ることにより、一定の要件に該当すれば標準報酬月額を速やかに下げることが可能です。

標準報酬月額は将来の給付額にも関わってきますので、正しい理解と届出が求められます。また、新たな標準報酬月額に基づく社会保険料が何月支給の給与から適用されるかを把握しておくことも大切です。なかなかなれない分野だと思いますので、専門家に依頼すると良いでしょう。

閲覧数:2回0件のコメント

最新記事

すべて表示

事業主は、3歳未満の子を養育する従業員について、従業員が希望すれば利用できる育児のための短時間勤務制度を設けなければなりません。 短時間勤務制度の対象となる従業員 短時間勤務制度の対象となる従業員は、以下のいずれにも該当する男女労働者です。(女性だけでなく男性も短時間勤務制度の対象となる点に注意が必要です。 ① 3歳未満の子を養育する従業員であって、短時間勤務をする期間に育児休業をしていないこと。

過去に厚生労働省が副業・兼業の促進に関するガイドラインを出した経緯もあり、複数の事業所で雇用されている人が増えてきたと思います。また、令和4年10月からは短時間労働者への社会保険適用が拡大されますので、短時間労働者=保険未加入者ではなくなっていきます。各保険の取り扱いについて見ていきます。 例:A社で週30時間勤務、B社で週10時間勤務のケース(両社とも雇用契約) 1、労災保険について 労働者が、

令和4年10月から士業の個人事業所(常時5人以上の従業員を雇用)は社会保険の加入が必要となることは以前にもご紹介した通りですが、10月が近づいてきたこともあり、気になる点を以下のQ&A方式でご紹介いたします。 【Q1】社会保険への加入に際し必要な届出は何ですか? 【A】日本年金機構(事業所の所在地を管轄する事務センター等)に「新規適用届」と「被保険者資格取得届」の提出が必要です。その他、「被扶養者