今年も年末調整の時期が近づいてきました。年末調整とは、源泉徴収した税額の年間の合計額と年税額を一致させる精算手続きの事を言います。
■年末調整の意味
毎月の給与計算や賞与計算の過程で所得税を計算のうえ納付してきました。所得税とは、1月から12月までの1年間の所得を基準として課せられる税金で、12月に支給される給与や賞与の支払いが終わらないと年間の正確な税金額は確定しません。
そこで、その年の最終給与または賞与支給後、これまで「見込み」で納付していた所得税と「実際の」税額との精算手続きを行います。このように年末に税額の調整を行うという意味から、年末調整と呼ばれております。
■精算が必要な理由
毎月の給与や賞与から所得税を徴収しているにも関わらず年末で調整が必要になるのは主に以下が想定されるためです。
【1】控除対象扶養親族の変動
控除対象扶養親族の数は、基本的にその年の最後にいた人を基準とすることになっております。年の途中で控除対象となる扶養親族に変動があった場合は、本人からの申告により、変動を給与計算に反映します。
例えば、本人の申告漏れで控除対象扶養親族の子どもがいることが12月に発覚した場合、その年の1月からその人の家族として税額計算することになります。しかし、11月までの給与の税額には子どもが控除対象扶養親族としてカウントされておらず、1年を通じてみると税額が異なりますので調整が必要になります。
また、子どもが結婚するときなどのように控除対象扶養親族が減った場合も同様の調整となります。
【2】毎月の源泉徴収では控除されないものがある
配偶者特別控除、生命(地震)保険料等の所得控除や、住宅ローン等の控除について、毎月の源泉徴収では考慮されておりません。
年末調整を行ううえでは、対象者から各申告書や、生命保険料控除証明書等の提出が必要です。前もって提出書類の案内をしておくなど、期日までに確実に回収できるようにしておきましょう。
Comments