「常時50人以上の労働者を使用する事業者」は、労働者に対し、労働安全衛生法で定められた健康診断を実施し、その結果を「定期健康診断結果報告書」として所轄労働基準監督署長に報告することが義務付けられています。
この定期健康診断結果報告書の提出義務者となる「常時50人以上の労働者」の定義は、正社員以外にも、日雇い・パートタイマー等の臨時的労働者を含む労働者数で、常態として50人以上であることとされています。
一方で、定期健康診断の実施対象となる労働者は「常時使用する労働者」とされていますので、提出義務の有無を定義する労働者数と実際に健康診断を受診すべき労働者数が同じでない点に注意が必要です。
また、常時雇用する労働者が50人未満の場合、労働基準監督署への報告事務はありませんが、法定の健康診断の実施義務は免れませんので、対応漏れにはご注意ください。
健康診断の結果については、健康診断個人票を作成のうえ、5年間保管しておく義務があります。
各企業から労働基準監督署へ提出された報告を基に、健康診断の有所見率の全国平均が厚生労働省から公表されますので全国平均と会社の統計データを比べることで、労働者個人の健康状態だけでなく、集団としての健康状態の分析が可能です。 社員の健康状況を把握するとともに、会社全体の健康も見つめなおしていきたいところであります。
Comments