リモートワークの普及に伴い、労働時間管理の方法も工夫が必要な時代になりました。リモートワークの場合、管理者の目が届かないため、自己申告による労働時間管理もやむを得ないように思われますが、自己申告管理についてもルールがあります。
③自己申告制により行わざるを得ない場合
自己申告制により行わざるを得ない場合、以下の措置を講ずるべきとされています。
・自己申告制を導入する前に、その対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。
→これは、例えば労働者に対して「自己申告の時間は丸めたりせず、1分単位で事実の通り記録してください。私用で離席するときも分単位で記録してください」などルールを説明することを指します。逆に、「正直に分単位で記録したらマズいでしょ!空気を読みなさい!」などといった正しい申告を邪魔するような説明をしないこともこれにあたります。
・自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施すること。
→「必要に応じて」とは、例えば労働組合や労働者側から「不適切な労働時間管理だ」など指摘があった時などを指します。労働時間実態調査は、労働者への聞き取りやパソコンのログ、メール使用状況等から確認することです。
・労働者の労働時間の適正な申告を阻害する目的で時間外労働時間数の上限を設定するなどの措置を講じないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。
→これは、「残業は月◯◯時間までだからな!出勤簿に書くなよ!わかってるな!」などの圧力で事実と異なる勤怠記録をしないように、という意味です。
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