リモートワークが普及するに伴って、遠隔地での労働時間管理方法について取り決めをしなければならない場面が増えました。一昔前に見られたような出勤のハンコだけを押す簡易な方法では足りないにしても、労働基準法上、どのような点に気をつければいいでしょうか。具体的に解説していきます。
1、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
労働基準法上、労働時間を適正に把握するためとして、次のことが義務付けられています。
①始業・終業時刻の確認・記録
「使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。」
使用者には労働時間を適正に把握する責務があります。
労働時間の適正な把握を行うためには、単に 1 日何時間働いたかを把握するだけでなく、労働日ごとに始業時刻や終業時刻を使用者が確認・記録し、これを基に何時間働いたかを把握・確定する必要があるとされています。よく「日毎の出勤・欠勤などを示すだけ」の出勤簿がありますがそれでは足りず、その日に「何時から何時まで働いたか」を記録しなければならないことを指します。テレワークの場合も同じく、ただ働いたか働いていないか以外に、開始終了の時刻もなんらか確認して記録しなければならないことになります。
なぜ管理の必要があるか
主に労働者の健康、安全のためです。労働時間の管理がずさんだと長時間労働などにより健康が脅かされる可能性があるため、使用者(会社)に管理義務を負わせています。
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